その背中、抱きしめて 【上】
15時10分前に駅に着いた。
イルミネーション会場は電車で1時間くらいかかる県内の1番端っこ。
山に囲まれた自然豊かなテーマパークで、ここ数年はクリスマスシーズンのイルミネーションに力を入れている。
テレビや雑誌にも度々取り上げられるので、結構な有名スポットになった。
待ち合わせ時間少し前に高遠くんが到着。
久しぶりに見る私服は相変わらずセンス良くて、ドキっとした。
(シンプルな服なんだよ…シンプルな服なのにどうしてそんなに着こなせちゃうんだろう)
「今日寒いからスカートは無いかなって思ってた」
うん、スカート諦めかけたよ。
けどさ、せっかくのデートだからやっぱりスカート穿きたいじゃん。
「タイツとブーツで防寒してるから大丈夫」
「ありがと」
白のローゲージニットに千鳥柄のミニフレアスカート、Aラインのミニ丈ダッフルにベレー帽。
タイツはヌードカラーで太ももに編み上げリボンのフェイクデザイン。
それにニーハイブーツを合わせた。
「しかもなんか…その脚エロいね」
(え!?気合い入れ過ぎた!?)
言われて一気に恥ずかしくなった…。