その背中、抱きしめて 【上】



「おなかいっぱい。結構量あったね」

お店からテーマパークまで腹ごなしに歩く。

周りは幸せそうなカップルでいっぱい。


入場券を買って園内に入ると、そこはもう言葉にできないほど眩い空間が広がっていて思わず立ちすくんだ。

「ぅわーーーーー…キレイ…」


駅前の木やビルがライトアップされてるのとは規模が違う。

光のじゅうたん、光のトンネル…見てるだけで自然に涙が出てくるほどの綺麗さ。


1番綺麗なところでみんな写真を撮ってる。

しかもイルミだけを撮るんじゃなくて、断然セルフィー。

そりゃそうだよね、綺麗だから自分たちも写りたいよね。


「高遠くん、一緒に写真撮ろ」

高遠くん絶対写真とか好きそうじゃないけど、とりあえずこれデートだからね。

この3ヶ月強の穴を埋めないといけないから、私たち。

嫌な顔されるの前提で聞いてみたけど、返ってきた言葉は

「いいよ」

っていうあっさりしたものだった。



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