その背中、抱きしめて 【上】
行きに寄ったアクセサリーショップでリングを受け取って私の地元駅まで来た。
家の近くの公園でリングをもらうことにした。
公園の時計は19時半を少しだけ回っていて、高遠くんと一緒にいられるのもあと少しかと思ったら、急に寂しい気持ちになる。
ベンチに座ると高遠くんが紙袋から小さな箱を取り出した。
ラッピングはなくて、箱に直接リボンが掛けられてる。
(リボンだけなら時間かかんないんだから、買った時にチャチャっとやってその場で渡してくれたらよかったのに)
そのリボンがスルッと外れると、そこに鎮座する同じデザインで大きさ違い色違いのリングが2つ。
ドキン。
胸が鳴ったのがわかった。