その背中、抱きしめて 【上】
「先輩、俺とやり直してくれてありがとう。これからはちゃんと大切にするから。あと、お互い何でも腹割って話そう。それで喧嘩になるかもしれないけど、その時はお互い納得するまで喧嘩しよう」
噛みしめるように出るその言葉たちは、まるで高遠くんが自分自身に言い聞かせてるみたいだった。
私の右手の薬指にピンクゴールドのリングがおさまる。
「好きだよ、柚香先輩」
懐かしくて愛しい唇が降りてきた。