その背中、抱きしめて 【上】



「ここが私の部屋。ここで待ってるから着替え終わったら教えてね」

私は廊下の壁に寄り掛かった。

「部屋いいんですか?入っちゃって」

「た、たぶん汚くないはずだから。女子の部屋とか落ち着かないかもしれないけど、着替える間だけ我慢してね!」

高遠くんを部屋に押し込んでバタンとドアを閉める。


(なんだなんだ??何で私が緊張してるんだ??)


1分するかしないかでドアが開いた。

「も、もう着替えたの?男子は着替えるの早いね。あ、制服シワ付いちゃうからハンガーにかけとこう」

私も部屋に入って、クローゼットからハンガーを取り出し高遠くんに渡す。


「なんか女子の部屋ーって感じ」

高遠くんが部屋をグルッと見回す。

…確かに白基調でところどころアクセントにパステルピンク使ってるからね…。

居心地悪いよね…ゴメン。


「落ち着かないよね、リビング行こうか」

いたたまれなくなってそう提案したけど、高遠くんから返ってきた言葉は

「ご飯出来たって呼ばれるまでここにいてもいい?」

だった。



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