その背中、抱きしめて 【上】



「もうっ!高遠くんが私の嫌がることしないって、待ってるって言ってくれたの」

高遠くんは優しいんだから。

そんなに焦らずにいてくれるんだから。


「は?アンタ翔くんにそれ言わせたの?」

「うん。ていうか私が何も言わないうちに高遠くんから言ってくれたんだもん」

「マジ~~~~~~~~~???」

お姉ちゃんが頭を抱えた。


「それって柚香が『まだできない』っていう態度取ったからでしょ?あんまり”おあずけ”するといくら翔くんだって柚香に愛想尽かすんだからね」

「高遠くんはそんなことしないもんっ」


こんなに幸せな2日間を過ごせたんだから、エッチするとかしないとかで別れたりしないもん。

しかも2年後に一緒に暮らすって約束したんだし。



お姉ちゃんとギャイギャイやり合ってる間に家に着いた。

まだお父さんとお母さんは帰ってきてない。

部屋に入ってから高遠くんにLINEを送った。



”ただいま”っていう私のLINEに対して数分後に返ってきた高遠くんのLINEは










『先輩のいない家は広くて静かすぎるよ』










だった。



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