ヴァンパイア達と甘くて刺激的な生活を

side コウモリ視点

「若菜ちゃん寝た？」


「うん。部屋から全く物音ないし」


夜の11時。


4人の男達はリビングに集まっていた。


これから話す内容は、今日4人の住む屋敷に引っ越してきた岸 若菜についてだ。


「陽と光は若菜に言ったんだろ？俺達がヴァンパイアだって」


そう、彼らはヴァンパイア。


人間達からすれば空想上の生き物でしかない種族だ。


「うん、言ったけど、最初信じてもらえなくて吸血するって言って後ろから抱きついたらでかい声で拒絶された」


オレンジのゴムを身につけている光がさっきのことを話す。


「あー、俺も朝抱きついたらすげー拒絶されたな」


昼のことを思い出す遥真。


「全くお前ら3人は何やってんだよ」


面倒くさそうに話すもしっかり会話に参加する海斗。


「若菜ちゃんについてなんだけど、遥真の親父さんが電話で『AAA（スリーエー）の血を持つ娘が俺の屋敷に来るんだよ』って言ってるのを聞いたんだけどさ、どう思う？」


AAAとは現在確認されているので世界で2人。


希少な血を持つ人間、ということだ。


2人の所在地は極秘だ。


S級クラスのトップしか知らない情報のため、漏れることはないだろう。


S級クラスとは、ヴァンパイアのランクで1番上からS、A、B、Cという順になる。


S級ほど数は少なく、C級ほど多い。


AAAという珍しい血を持つ少女が自分の身の回りにいると理解した4人の空気が一気に変わった。


「まぁ、親父が言うんだったらマジじゃねーの？俺らだってS級なのに知らねー情報だったし」