ヴァンパイア達と甘くて刺激的な生活を
そこにはまるで映画に出てくるようなロビーがあった。


まだ仕事中なのか、メイドや執事らしき人達が忙しそうに働いていた。


「は？こんなの聞いてないんですけど。メイドや執事がいるなんて…」


これは面倒なことになりそうだと思い、後ろに一歩さがった。


すると、背中に何かが当たったと思ったらそのまま抱きしめられた。


「ぅわ…離して！」


咄嗟に誰かの腕の中で暴れ、それでも弱まらない力と格闘していると、さっきの彼とは違う声が頭上から聞こえた。


「おーおー、あんま暴れんなよ」


誰かと思い顔を上げると、またも見た目がかっこいい人がいた。


金色に近い髪の毛はしっかりセットされていて、少しチャラそうに見えた。


「お前、岸 若菜だろ？俺は西条 遥真。今年高3になる。今日からたっぷり可愛がってやるよ」


絶対に近づいたらいけない…


そんな予感が頭をよぎった。


可愛がってくれなくて結構ですし、それと離してください」


チッと舌打ちが聞こえたが渋々離してくれた。


ドアのところでそんなやりとりをしていたら、中にいた執事の1人がこちらにやってきた。


「初めまして、岸様。私、岸様の身の回りのお世話をさせて頂く三宅 翔人と申します。翔人とお呼びください」


丁寧に挨拶をしてくれた翔人さんはお辞儀をして爽やかな笑顔を向けてきた。



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