ヴァンパイア達と甘くて刺激的な生活を
ーコンコンー


ノックの音が聞こえ目を覚ました。


「若菜様、夕食の用意ができました。リビングに参りましょう」


もう7時なのかと思い、まだ眠い目をこすって部屋を後にした。


リビングまでは私の部屋からさほど遠くなかったので1回で覚えることができた。


「あの、翔人さん。リビングまでもう覚えたので明日からは私1人で行けます。だから呼びに来なくて大丈夫です」


「そうですか。でしたら、他の場所までの地図を渡しますね」


「とても助かります。ありがとうございます」


翔人さんといるととても落ち着く。


あまり強引に話しかけてこないし、私と同じで人に興味が無さそうに見える。


そんなことを考えながら指定された席に座った。


私以外まだ誰もいないので、リビングには静かな空気が流れていた。


「もう少しで他の皆様もいらっしゃるのでしばしお待ちください」


そう言って何処かに行ってしまった。


数分後、ぞろぞろと4人の男の子がリビングに入ってきた。


その中には昼頃に玄関で会った2人もいた。


それぞれ席に着いたのだが、何故か広いテーブルなのに私の両側に座る双子がいた。


「ちょっと、他にも座る場所があるんだから広い方に行ってくれませんか」


食事は静かに食べたい私にとって暑苦しくて仕方がない。


「えー、いいじゃん。俺はここに座りたいの」


「俺も」


右側に座る男は昼に会った諸星 陽だった。


左側に座るのはその諸星 陽と瓜二つの顔をした男だった。


その男は前髪をオレンジのゴムでまとめていた。



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