ヴァンパイア達と甘くて刺激的な生活を
「あ、俺は諸星 光。陽の双子の兄貴。よろしくな」


親しみやすい笑顔を向けてくるが、私にははなからそんな気はない。


「よろしくしないですし、それと離れてださい」


「さぁ食べよう」


「ここのシェフが作ってくれる料理は美味しいんだよ」


これは何言っても駄目だ。


つい先程運ばれてきた料理に目を移すと、それはなんとも美味しそうだった。


目の前のステーキを1口パクリ…


柔らかい食感と噛んだ後に出る肉汁がとても美味しかった。


ついつい「美味しい…」と呟いてしまった。


それを聞き逃さなかった双子が詰め寄ってきた。


「でしょでしょ?」


「他のも美味しいからもっと食べなよ」


その後しっかり完食した私の前に西条 遥真がやってきた。


「若菜、もう1人紹介する。あいつは綾瀬 海斗。俺と同じ高3。まぁ、無口なやつだが仲良くしてやれよ」


指の向いてる方を見ると、黒髪を左で分けている男の人がいた。


チラッとこっちを見てきたがすぐに逸らされた。


(なんだかあの人とは仲良くなれそう)


そんなことを思っていると綾瀬 海斗はリビングを出ていった。


続いて西条 遥真も双子に目配せしてリビングを後にした。




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