氷の魔女の春さがし
「オレは小さい頃からもっと小さい子の面倒を見てて、大人からいい子いい子って言われてたから、不良になんかなるもんかって自分で思ってたんだ。
 それでも祭りの手伝いやなんかで隣村に呼ばれることは年に何回かあったけどさ。
 こんなに長く村を離れるのは初めてだよ」

「うん。旅慣れてない感じよね」

 スリサズの目がジェフリーの靴に向く。

 短期間でボロボロになった靴をそのまま履いていれば余計に足が疲れる。

「でもさ、春告げ鳥が見つかんないと、村へ帰るわけにいかないからな。
 皆に顔向けできないとかじゃなくって、春が来ない村でなんか暮らせないから」
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