氷の魔女の春さがし
「品ぞろえ悪いわね。ホットで。しっかり火を通してよ」

 マスターにとってはスリサズのような客は珍しくても、年の割りに長く旅をしているスリサズにしてみれば慣れたものだ。

 まさか本当に注文されるとは思っていなかったマスターが慌てて鍋を捜す間に、スリサズはツリ目がちだがクリクリした目で素早く店内を見回した。
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