氷の魔女の春さがし
 二人はスリサズをティムの家に案内した。

 この家も他の家と同様、玄関が雪で埋もれているので屋根裏部屋の窓から入った。

 二階より下の全ての窓を雪で塞がれているせいで、家の中は昼間でも暗く、ティムの部屋までろうそくを持って移動する。

 ティムの母親はスリサズがこの村のミルクをおいしいと言ったのを覚えていた。

「寒さで牛が死んでしまって」

 そう言って申し訳なさそうに白湯を出した。
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