氷の魔女の春さがし
「……そいつが……僕をここに閉じ込めて……そいつ、最初のうちは毎日ここに来ていた……穴の上から覗いて……僕の様子を見て……食べ物も……でも、ある日パタリと来なくなった……」

 穴の上でコロンが吠えた。

「……そうだ……コロン……コロンが助けてくれたんだ……あの男が来なくなってから、コロンが食べ物を運んでくれた……」
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