氷の魔女の春さがし
 洞窟の隅、壁と床の境目ぐらいの辺りから、ニョキッとタケノコのように、人間の頭部のようなものが生えてきた。

「わひゃ!?」

 スリサズは思わず悲鳴を上げてしまって、そんな態度を取ってよい相手ではないと思い出し、取り繕うように慌てて頭を下げた。
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