氷の魔女の春さがし
 女神の顔に笑みが広がるに連れて、洞窟の中が暖かくなってゆく。

 ハロルドが目を閉じて静かな寝息を立て始めたが、この温度なら大丈夫だろう。

 女神は軽く首を傾けてハロルドを気遣う様子を見せつつも、女神としての仕事の遅れに気がついたのか、フワリと宙に浮き上がり、洞窟の天井をすり抜けて外へ出て行った。
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