イクメン作家と恋心。SS~ウェディングベル~第1話編~修正済み&2話追加。

「お母さん……大丈夫?」

心配そうにこちらを見る。

「大丈夫よ。
心配してくれてありがとう」

ニコッと微笑んだ。

パパである先生と結婚してから
睦月君は『お母さん』と呼んでくれるようになった。

ちなみに『ママ』ではないのは、
本当のママと区別がつかないから嫌らしい。

でも、義理でも母親になる事に対しては、
賛成してくれた。

いやむしろ

『やっと、決心ついたの?パパ』と言われる始末。

睦月君にとって私が母親になるのは
当たり前らしい。

ある意味。
一番冷静かも知れないわね。

睦月君は、私の隣で作るのを見ていた。
食べるのが好きな彼は、作るのにも
興味があるらしい。

「睦月君も一緒に作る?」

そう尋ねるとコクりと頷いた。

ならと思い睦月君には、
ハンバーグの具を混ぜてもらう。

私は、その間に味噌汁を作った。

「睦月君は、お嫁さんって見たことある?」

椅子の上に乗り混ぜている睦月君に質問してみる。
すると横に首を振ってきた。

そっか……ないのか。

「お嫁さんって凄く綺麗なんだよ。
白いウェディングドレスを着て
長いバージンロードという名前の通路を歩くの。
そこには、白いタキシードを着たお婿さんが居てね」

思い出すように言う。

一度親戚の結婚式に出席したことがある。
凄く綺麗だったな。

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