イクメン作家と恋心。SS~ウェディングベル~第1話編~修正済み&2話追加。
私もそれを見ていて
一時、お嫁さんに憧れたりもしたっけ……。
今だと懐かしい思い出である。
「お母さんは、お嫁さんに……憧れているの?」
睦月君が具材を混ぜながら聞いてきた。
「昔ね。でも……もういいの。
憧れは、憧れのままにしなくちゃあ」
今さら贅沢を言っても仕方がない。
あの奥さんを一途に想っていた先生が私と
結婚してくれた。
だから、もういいの。
「…………。」
睦月君は、黙ったまま
ひたすら具材を混ぜてくれた。
あれからハンバーグは、
睦月君が手伝ってくれたお陰で美味しく
作る事が出来た。
先生を呼んで夕食にする。
「先生。今日は、睦月君がハンバーグを作るのを
手伝ってくれたんですよ。ねぇ睦月君」
私は、睦月君と先生に話しかけた。
『…………。』
どちらも無言のままだった。
あれ……?
どちらも無口なのは、知っているけど
何だ重い空気なのは何故だろう?
「おい。涼花」
先生が突然話しかけてきた。