イクメン作家と恋心。SS~ウェディングベル~第1話編~修正済み&2話追加。
入って来たのは、先生だった。
ざわざわと話し声が聞こえてきた。
「かっこいい……」
「藤崎睦月君のお父様よ。
生で見ると素敵よねぇ~」
「ベストセラー作家の人なんでしょ?
ペンネームは、蓮見真夜先生だとか」
さすが先生だわ。
出たらすぐに注目された。
無理もないけど……。
あんなにスーツが似合うイケメンで
人気のベストセラー作家なら
騒がない方が無理があるだろう。
親御さんだけではなく生徒達も騒ぎだした。
「なぁなぁ、睦月の父ちゃんが来てるぞ」
「睦月君のパパ。カッコいいよねぇ~」
先生は、慣れているせいか
気にすることなく私に近付き機嫌が良くなった
卯月を渡してきた。
私は、慌てて卯月を受け取った。
すると担当の渡辺先生が手をパンパンと叩く。
「はーい。皆さん静かに。
授業を始めるわよ!」
キリッとした態度で言う。
何とか静まり授業を再開させた。
先生に申し訳ないことをしてしまった。
後で謝らないとな……。