イクメン作家と恋心。SS~ウェディングベル~第1話編~修正済み&2話追加。
サッカー試合。
それから数ヵ月が経った頃。
卯月は、よちよちと歩くまでに成長する。
今では、睦月君の後ろをひたすらついて行くのが
マイブームのようだ。
すっかりお兄ちゃん子になっていた。
今日も学校から帰ってきた睦月君を見るなら
大はしゃぎ。
「にーに。キャハーッ!!」
嬉しさのあまり雄叫びをあげていた。
睦月君は、靴を脱ぐとわざと抱き上げない。
ゆっくり前を歩いて行くと釣られて
卯月も歩き出した。
よちよちと危なっかしい足取りだけど
それが楽しくて仕方がないらしい。
睦月君もそれを分かっているため
その足取りに合わせて歩いてあげる。
私は、いつ転ぶか分からないため
後ろでヒヤヒヤして見ていた。
2階に上がろうとしたが
さすがにそれは、危ないため私が抱き上げた。
「ふぇぇっ~」
自分でやりたいと手足をジタバタさせた。
「それは、さすがに無理よ!卯月。
階段は、もう少し大きくなったらね」
よしよしとあやしながら2階に上がった。
睦月君は、自分の部屋にランドセルを置くと
中身を開けてノートを私に差し出してくる。
「はいはい」
これは、家族用の交換ノートだ。
話すのが嫌いな睦月君に学校のことを聞くために
先生が考えてくれた。
睦月君は、これに学校の事や悩みなど
思ったことを書いてもらっている。
これなら長い会話も出来るし
負担にならない。