イクメン作家と恋心。SS~ウェディングベル~第1話編~修正済み&2話追加。
「睦月君。大変……血が!?」
慌ててカバンからハンカチを出そうとすると
ポロポロと涙を流しだした。
無表情のまま涙を流す睦月君だった。
結局、だいぶ決着もついていたので
試合を終了して学校の保健室に行って
治療をしてもらった。
養護教諭の先生が居てくれて良かった。
「おば様……睦月様。
ごめんなさい……私が…卯月ちゃんに目を離したから」
茉莉華ちゃんまで泣きだしてしまう。
「いいのよ。
私も卯月に目を離していたから」
私も電話に気をとられて目を離したから悪い。
無事だったから良かったものの
最悪な事を考えるとゾッとした。
「睦月君も……ごめんね?
卯月を助けてくれてありがとう」
改めて謝罪とお礼を伝える。
するとコクりと頷く睦月君。
許してくれたみたいだ。
まだぐずっている卯月を優しく抱き上げる睦月君。
よしよしと背中をポンポンと叩いてあげると
泣き止んだ。
さすが……お兄ちゃん。
睦月君もたくましいお兄ちゃんに
なったなぁ~と感心した。
しかし。
そんな悠長な事は、言ってられなかった。
自宅に帰ると汚れて傷だらけの睦月君を見て
先生は、驚いていた。
「随分と……派手な試合だったんだな?」
「それは……」
事情を話すと先生に呆れるやら
説教をされるやらで散々な1日になってしまった。
トホホッ……。