ウソツキセンセイ


***


 学校に電話を済ませて、あたしは蒼依の家へと向かう。


 まだ午前の九時なのに、太陽がジリジリとあたしの肌を照りつける。日焼け止め、塗ってきて良かった。


 徒歩十五分で着く蒼依の家に着いて、あたしは冷たい麦茶をごちそうされた。正装のために学校の制服を着たけれど、汗が少しにじんでしまった。


 蒼依の家のリビングは木の影に隠れているから、午前中はとても涼しい。そして、蒼依のお母さんと弟がいない分、涼しさに静けさも増していた。


「いやー、付き合ってくれてありがとう。助かるよ」


「ううん、いいよ。蒼依パパのお墓参り、去年行けなかったし」

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