ウソツキセンセイ
 老夫婦は涙を流しながらお墓に向かって手を合わせた。


 なんだろう、この妙な引っ掛かりは。ものすごく胸に違和感を覚える。


「……ん?君は?」


「あっ、いえ…」


 男性の方が、立ち止まって二人を見ていたあたしのことに気づく。


「…あら、あなた…!アカネと同じ高校の生徒さん?」


「えっ?」


 今度は女性の方があたしに声をかけた。それにアカネって…私も紅音なんだけど…。

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