ウソツキセンセイ
「…………」


「…………」


 蛇口から流れる水の音しか聞こえない。時々試験管同士がぶつかりあって、カラン、といい音が鳴る。


 静か。余計に気まずくなるほどに静かだ。


「横田さん」


「あ、はい…」


 真っ先にこの沈黙を破ったのは平塚先生の方。思わずあたしは身構えてしまう。


「僕の授業は分かりやすいですか?」


「え?…クラスの人たちは分かりやすいって言っていますよ」


 いえ、そうじゃなくて、と平塚先生は首を振る。


「横田さんにとっては分かりやすいですか?」


「………えーっと…」


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