ウソツキセンセイ
 あたしはこの人たちの地雷を踏んでしまった。


 その罪悪感だけが胸に残る。


「本当に、すまない…」


 男性は女性の背中をさすりながら、落ち着いてと声をかける。


 対する蒼依はあたしに大丈夫?と声をかけてくれるけど、やっぱり首を降ることしかできなかった。


 どうしよう。


 あたしはどうしたらいいんだろう。


 謝ったって、この二人の悲しみが消えるわけじゃない。


 あたしはどうしたらいいの──?


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