ウソツキセンセイ
「……平塚先生の妹の名前は、アカネって言うんですね」


「うん、そうだよ。漢字は違うけど、茜って言う妹だよ」


「……だからかぁ……」


 何ヶ月か前に、平塚先生が理科室で眠っていた時に、呟いた「あかね」とい言葉。これはあたしのことじゃなくて、妹の茜さんのことだったんだ。


 ……あれ、今少しだけ胸が痛くなった。


 なんでがっかりしているんだろう。


「まぁ横田さんが見た通り、うちの両親はとっくに俺のことを見限ってるんだよ。特に母親に至っては俺のことを殺そうとする目で見てくるもん」


 
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