ウソツキセンセイ
「でも、今の言葉は素直に嬉しかったよ。ありがとう」


「あっ…」


「何?」


「もしかして今泣いて──うわああ!?」


 ますますあたしの髪の毛をかき乱す平塚先生。そろそろあたしの頭皮が痛いと泣き叫びそうなんですけど!


「さてさて、そろそろ岸さんのところに戻りましょうか。いつまでも横田さんを借りるわけにはいかないからね」


 平塚先生はベンチから立ち上がると、ぐっと大きく背伸びをした。


 どこかスッキリとしたような先生の顔が、太陽の光に反射してちょっと眩しい。

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