ウソツキセンセイ
「はぁ……」


 心がすごくモヤモヤしたままだ。


 端から見れば他人事なんだけど、あたしも平塚先生の力になればいいな、なんて。


 昔のあたしだったら絶対に思わないようなことを思っている自分に、少しだけ驚いた。


「気分を変えてケーキ屋さん、行こっか?」


「うん、そうしよ」


 いつまでもこんな気分じゃいられない。


 せっかく久しぶりに蒼依と二人でいるんだから。

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