ウソツキセンセイ
「じゃあ、時間まで解いててね。俺、職員室に物を取りに行くから」


 分かりましたと返事をして、平塚先生は理科室から出ていった。


 エアコンの効いた涼しい理科室で、独りあたしは黙々と問題を解く。


 あたしだけじゃ解ききれない計算問題もあって、何度も教科書やこれまでもらったプリントを見ながらチャレンジする。…もちろんそれでも分からなかったものは抜かして、次の問題に移るけど。


 静かなだけあって、集中力が全然切れない。でも、もう平塚先生が理科室を出てから三十分近く経つ。


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