ウソツキセンセイ

「とりあえず電気だけでも……」


　黒板に「帰ります」と小さく書き、理科室の電気を消す。エアコンはそのまま。


　理科室の扉をゆっくり開けて、すぐそこの階段を降りる。理科室との気温差がものすごく酷くて、めまいを起こしそうになる。


「……ん？」


　階段を降りると、白い何かがちらりと見えた。


「え……？何？」


　恐る恐るあたしは階段を降りていく。いくら午前中とは言え、あんな不自然に白いものが見えるのは…お化けなんじゃないかと、つい身構えてしまう。