ウソツキセンセイ
 あたしが平塚先生のことを抱えるのには無理がある。だからここに留まるよりは、誰かを呼びに行った方が早い。


 そう冷静に判断できたあたしが、少し誇らしい。


 ……って思っている場合じゃない。


 ここからなら、職員室より保健室の方が早い。保健室には絶対に橋本先生がいる。


 良かった、今日の朝、橋本先生のことを見かけて。


「橋本先生!!居ますか!!?」


 ノックをしている暇なんてない。あたしは勢いよく扉を開ける。


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