ウソツキセンセイ
 橋本先生は、蒼依のことを外で待つように言い、蒼依も保健室の外に出た。


 橋本先生は白衣を着ながら、「座れば?」と言う。お言葉に甘えてあたしソファに座る。


 座った途端にどっと疲れが押し寄せてきたことに、びっくりした。


「心配をかけたようだな。平塚は熱中症と夏バテだから大丈夫だ」


「あ、はい……」


 良かった、重い病気じゃなくて。


 ホッと一息吐くと、また疲れが押し寄せてくる。

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