ウソツキセンセイ
「……アメ」


「もしかしていちご味は苦手でしたか?」


「いえ、好きです。ありがとうございます…」


 平塚先生のポケットから出てきたのは小さなピンク色のアメ。普段からこんなのを持ち歩いているのかな……。


 貰ったアメをあたしは制服のポケットの中にしまって、テーブルの上に置き去りにしていた課題プリントを持つ。 そのまま理科室から出ていこうと、あたしはこの場から離れようとすると──。


「うわっ」


 水屋の下に飛び散った水に、あたしはうっかり足を滑らせる。


 その瞬間、平塚先生の前で恥をかくあたしの姿が想像できた。


 最悪だ……。


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