ウソツキセンセイ
「……分かりました」


「ありがとう、横田。んで、俺は少し職員室で報告書書かなきゃいけないから、平塚のこと頼む」


「はい」


 白衣のまま、橋本先生は保健室を出た。すぐ隣の応接室から、蒼依がドアを開ける音がして、そのまま二人は職員室の方へと向かっていった。


 あたしは無言で平塚先生の元へ向かう。


 小さく寝息を立てている平塚先生の目元には、くまができていた。


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