ウソツキセンセイ
「…ん………あかね…?」


 平塚先生の唇が微かに動いてそう呟いた。


「はい、紅音ですよ」


「………ここは?」


「保健室です。平塚先生、熱中症で倒れたみたいですよ」


「…そっか」


 平塚先生はあたしから視線を逸らして、真上に移した。


 すると、いきなりネクタイを解き、ワイシャツのボタンを一つずつ外していく。

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