ウソツキセンセイ
「やっぱり、横田さんといると落ち着く」


「……それなら…良かったです」


「ねぇ、横田さん」


「……はい…?」


「春に、俺から言われた言葉覚えてる?」


「………春?」


「初めて個人授業をした日のことだよ。横田さんさんに、俺のこと嫌い?って聞いたこと」


 懐かしいね、と平塚先生は笑った。


 あたしの胸は、まだドキドキと音を立てている。

< 183 / 272 >

この作品をシェア

pagetop