ウソツキセンセイ
 もちろん、あたしはその日のことを忘れるはずがない。


 むしろこの時から既に、平塚先生に調子を狂わされているんだから。


「覚えています」


 そう答えると、平塚先生はまた笑う。


「ねぇ、まだ俺のこと嫌い?」


「………」


「ここで嫌いって言われたら、俺絶対へこむ自信あるよ」


 へこむ自信ってなんだ。


 
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