ウソツキセンセイ
 そんな中途半端な明るさの部屋で、あたしはベッドに突っ伏したままのせいか、いつの間にか眠ってしまった。


 夢の中に、なんでか知らないけれど蒼依が出てきた。


 蒼依は、「ね、秘密の恋ってドキドキするでしょ?」といたずらっ子のような声で囁く。


「紅音はもう少し自分の気持ちに素直になっていいんだよ。そしたら、苦しくなんてならないんだから」


「先生との恋なんて、叶うわけないじゃん。恋をしたって傷つくだけだもん。そうしてまで自分を苦しめるなんて、ただの馬鹿だよ」


「そうやって逃げているから余計に苦しくなるんだよ」


「逃げてなんか──!」


「紅音はね、平塚先生以上に自分に嘘をついているんだよ」


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