ウソツキセンセイ
 夢の中から一気に現実に引き戻された。


 良かった、夢だ。


 額に汗をびっしょりとかいていて、なんだかとても気持ちが悪い。


 悪夢とも言いきれないこの夢が、やけに生々しくて、あたしは少しだけ身震いした。


「紅音ー!ご飯だよー!」


 お母さんがあたしのことを呼ぶ。だけど、とても食欲がわかない。


「ごめん、先にシャワー浴びてくるー!」


 そう断っておいて、あたしはそのままお風呂場へと向かう。

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