ウソツキセンセイ
 理科室は案の定鍵が開いていた。


 思いっきりその扉を開けて、中を見渡すと、窓際の席に、ぽつんと平塚先生が座っていた。


 あたしに気づいた平塚先生は、ひらひらとてのひらをあたしに振る。


 あたしは平塚先生が座る隣の席に、早足で歩いていく。


「二学期から個人授業はないよ」 


「そうですか」


「うん。だから今日からここに来なくてもいいんだよ」


「そうですか」


「あれ、怒ってる?今日のこと」


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