ウソツキセンセイ
 平塚先生の手が、あたしの片方の手首を掴む。

「は、離してください!」


「明日まで教師だから流石に手は出せないけど。あんまりしつこいと酷いことしちゃうよ」


「平塚先生はそんなことしません!!ふざけるのも大概にしてください!!」


「ふざける?これっぽっちもふざけてないよ」


 あたしは何とか平塚先生の腕から逃れようと、必死に抵抗する。


 当然男の人の力には叶うわけがなく、ただただ身じろぎしても体力を消耗するだけ。


「もう一度言うね。俺から横田さんに言うことはない。大人しく帰ってくれるなら離してあげてもいいよ」


「あたしが納得するまで絶対に帰りません」


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