ウソツキセンセイ
 何言ってるんだろう、あたし。


 こんなの、完全に当てつけだ。こうなれば、とことん八つ当たりしてしまおう。


「それに、平塚先生が倒れた時、あたし死ぬほど心配したんですからね!?こんなに平塚先生を心配してたって言うのを知ったあたしが一番驚いているんですよ!」


「……横田さん」


「平塚先生に化学の成績が上がって褒められた時はすごく嬉しかったし、個人授業の時間がいつの間にか苦にならないって感じたのも、自分でびっくりしているんですよ!?」


「横田さん」


「本当馬鹿みたいですよね、こんなに一人で舞い上がって。仕方ないじゃないですか。どれもこれも、あたしが平塚先生のこと好きになってしまったせいなんですよ──!!」


 
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