ウソツキセンセイ
「うっ……うぅっ…」


 誰もいない教室で、ひとり静かに声を押し殺して泣く。


 こんな時にここに誰かがいれば、あたしはさっさと家に帰って今日のことを忘れようとしたのに。


 皮肉にも、今はここに誰もいない。


 すっかり気が抜けてしまったあたしは、学校が閉まる六時過ぎまで、教室で涙を流し続けた。


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