ウソツキセンセイ


***


 昨日、さっぱり眠っていないせいで、あたしは大きなあくびをして席に着く。


 同じく蒼依も眠たそうに座って、机に突っ伏した。


「横田さん、岸さん」


 そんなあたしたちに声をかけてきたのは、クラスメイトの須藤結衣さん。


 片手に可愛らしい袋を持って、あたしたちに何かを差し出した。


「これ、平塚先生に贈る色紙なんだけど、良かったら寄せ書きを書いて欲しいんだ」


「ん、了解」


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