ウソツキセンセイ
 いつの間にか平塚先生があたしのすぐ隣まできていた。


「どうも……」


 なるべく顔を見ないように、あたしはプリントを受け取る。


 配られたプリントは、元素記号やわけのわからない記号だらけのプリント。これはいつもと同じだ。


「ん………?」


 プリントの端っこに、細くて綺麗な字で小さく何かが書かれていた。



──放課後、理科室で



 たったそれだけ。

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