ウソツキセンセイ
 無理やりあたしに色紙を押し付けて、蒼依はそのまま身体を前に向けた。


 いや、昨日の今日で平塚先生に何かを書けるような状態じゃないから…。


 蒼依に色紙を返そうとすると、蒼依はわざとあたしのことを無視する。


「……分かったよ、書くよ……」


 結局あたしは色紙にメッセージを書くことを決める。


 さて、なんて書いたらいいんだろう。


 本当に、贈るメッセージが見当たらなすぎる。


 無難に半年間ありがとうございましたでいいかな。


 シンプル・イズ・ザ・ベストってい言うじゃん。

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