ウソツキセンセイ
 心配そうな目であたしを見る蒼依。


「だから、あたしはもう──」


「これ、紅音にって、橋本先生から」


 そう言って蒼依から受け取ったのは、ノートの切れ端のようなもの。


 そこに少しだけ汚い字で、住所と簡易地図が載せてあった。


「余計なお世話だろうけど、橋本先生に平塚先生の住所聞いてきたの。……内緒にしててごめんね」


 でも!と蒼依は続ける。


「紅音、全然諦め切れてないでしょ?諦めたくないんじゃないの!?昨日、自分に素直になれたように、もう一回素直になってみてよ!」

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