ウソツキセンセイ
 放課後、理科室で……?


 頭の中で、プリントに書かれた文字を繰り返す。


 特に深い意味もない。


 別に何かの暗号でもない、ただのメッセージ。


 隣の人のプリントをこっそり覗いて見るが、その人のプリントにはやはり平塚先生からのメッセージはなかった。


 ちらっと平塚先生の方に視線をやると、平塚先生は笑顔でプリントを配っていく。


 ついに全部配り終えて、教卓に戻って来るとき、あたしと視線があってしまった。


 これ、どういうことですか。



 そう目でテレパシーを送っても、当然伝わるわけもなく、ただ平塚先生はニコリと笑うだけだった。

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