ウソツキセンセイ
「ひあっ!?えっ!?……あれ、平塚先生……」


 買い物袋を携えた平塚先生が、あたしの横にいた。


 びっくりしてしまったあたしは、大げさだけれど思いっきり肩を震わせて、先生の方を見る。


「何してるの?」


「えっ、あっ……その……」


 言いたいことも、伝えたいことも頭の中では明白なのに、言葉が全然出てこない。


 きっと、この状況に対処しきれなくて、キャパオーバーしてしまったのかもしれない。

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