ウソツキセンセイ
 ものすごい力で引っ張られて、あたしは平塚先生の部屋の玄関に入れられる。


 勢いが良すぎたせいで、あたしは床に思いっきり打ち付けられた。


「しつこいと酷いことするって、俺言ったよね?もう忘れちゃったの?」


 右半身が痛むのをぐっとこらえて、あたしは冷たい目で見下ろす平塚先生の姿を目に止める。


「さしずめ橋本先生当たりに聞いてここまで来たんだろうけど……。俺の家に来てまでそんなに知りたいこと?もう横田さんには関係ないことでしょ?」


「関係なくない…」


「笑わせるよね。俺達『先生と生徒』でしょ?それ以上でも以下でもない。これでも言いたいこと、分からないの?」


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